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蛇にピアス(平成15年度下半期芥川賞受賞)

蹴りたい背中に続いて、蛇にピアスを読んだ。
作者は高校中退の20歳の女性。
蹴りたい背中は全文読み通すのはしんどかったが、この蛇にピアスは、43ページを一気に読んだ。
舌にピアスをし、少しずつ大きなピアスにしていって、最後には蛇やトカゲのような舌(先が二つに割れた)にしたいとする女(主人公)と遊び男友達とのストーリーである。

なんとも感想が書きにくい、ものすごい小説である。
20歳の女性にどうしてこのような小説が書けるのか、理解しがたい。

作者は小学生の時から不登校でカラオケボックスへ行ったり、高校生の時に同棲を始めて、パチンコ店でスロットの生活をしていたという。

アメリカで生活中のある日、父親(翻訳家で法政大学教授)が日本の小説をどっさり買ってきて『おいておくから興味のある本があったら読んでみたら』といったのが小説を書くきっかけであったという。

作者は受賞者インタービューで次ぎのように言っている。

『学校へ行かなくって良かったなあと思います。学校向きの子供と不向きな子供がいて、不向きな子供にとっては学校に行かない方が本人のためになる場合も多いと思う。子供が学校へ行かないだけで親や教師が騒ぐのはバカバカしい気がします』

近年、不登校が増えてきているという。その根本的原因は何なのか。

それにしても、蛇にピアスの世代の生態は、私にはなんとも理解しがたい。
by okamura920 | 2004-02-22 20:40 | 小さな本 | Comments(0)
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